最近の商法改正に伴い、株主総会による定款変更等の必要性について整理した。次回総会に向けて検討・準備をしてください。
なお、以前の情報はこちらをご参照。→ 前回の情報(2003年2月掲載分) |
| |
|
|
| | (1) | 2004年10月から、定款で「株券を発行しない」旨を定め、株券を発行しない形にすることができることとなった(→ 株券廃止会社へ)。上場会社は強制、非上場会社は任意(株券を廃止するか否かは自由) |
| | …上場会社等の株券保管振替制度の利用会社は、一斉移行日(改正商法施行後5年以内に政令で定める日)に、一律に株券不発行制度を採用する定款変更決議をしたものとみなされ、株券廃止会社となる。 |
| | …「政令で定める日」はまだ決まっておらず、一斉移行日までに、公開会社が定款を変更して株券不発行制度を導入することができるかどうかは特に定められていない。しかし、取引所等の上場規則等で上場維持の要件となっている保管振替制度は株券の存在を前提としていることから、株券不発行制度を導入してしまうと保管振替制度からの離脱となってしまい、上場を維持できなくなるため、当分の間、株券不発行制度は非公開会社のみの制度となる。 |
| |
| | (2) | 手順(非公開会社) |
| | |
| @ | 定款変更の株主総会特別決議 |
| | 株券を発行しないことを規定する定款変更を行う株主総会を開催し、特別決議を行う(過半数株主の出席と、2/3以上の賛成が必要)。 |
| A | 公告・通知 |
| | 定款変更決議の後、「株券を発行しない旨の定款の定めをしたこと」「効力発生日に株券が無効となること」を効力発生日の2週間前に公告し、かつ、株主と株主名簿に記載された質権者(登録質権者)に対して個別に通知する。なお、全ての株式について株券不所持の申し出がなされている会社、及び譲渡制限会社で株券が発行されていない会社(準株券廃止会社という)は、株主、登録質権者、新株引受権者、新株予約権者に対して個別に通知すれば、公告は不要。 |
| B | 株券廃止 |
| | 効力発生日をもって発行済の株券は無効となる。なお、法律上は、発行済の株券を回収する必要はないが、無効株券の売買が行われるなどのトラブルや混乱を招く恐れがあることから、株券を回収をしておくことが望ましい。 |
|
| | (3) | 登記手続き |
| | | 株券不発行は登記事項であるので、登記手続きを行う。 |
| |
| 電子公告 | ← 調査機関の調査が煩雑でなければお勧め、計算書類の公開にとどめるのも一案か |
|
| | (1) | 2004年6月9日の改正商法公布日から1年を超えない日(政令で定める)から、インターネットを利用した公告(電子公告)が可能となる(従来は、計算書類の公開のみ)。
⇒ 2005年2月1日施行となった。
|
| |
| | (2) | 手順 |
| | |
| @ | 定款変更の株主総会特別決議 |
| | 電子公告を公告の方法とすることを規定する定款変更を行う株主総会を開催し、特別決議を行う(過半数株主の出席と、2/3以上の賛成)。 |
| A | 登記 |
| | 公告の方法を電子公告とする旨、及び掲載するホームページのURLを登記する。 |
|
| |
| | (3) | 注意事項 |
| | |
| @ | 公告の内容がホームページに掲載されているかどうか、調査機関(法務省に登録)の調査を受けることが義務づけられる。… 公告が適法に行われたか否かを検証するため |
| A | 電子公告の場合、ハッカーによる改ざん等でホームページの掲載に障害が起こる可能性があるが、公告の中断があった場合、会社が善意で重過失はなく、または正当な理由がある場合で、中断の生じた時間の合計が公告期間の1/10を超えていない場合は、会社が中断の事実を当該公告に付して公告すれば、公告の効力には影響を及ぼさないこととなっている。 |
| B | やむを得ない事由が発生し、電子公告ができなくなった場合のために、電子公告によることができないときは@@新聞に掲載して公告する旨を定款で定めておく方が良い。 |
| C | また、従来の官報や日刊新聞での公告と電子公告の両方での公告と規定しておけば、両方での公告も可能である(但し、業務が増える..)。 |
| D | 株式会社は「公告」が義務づけられており、実行されない場合は商法違反として罰則も課されるが、中小・零細企業の場合、実行されていないことが多い。電子公告は手間とコストの削減につながることから、今後は適法な処置が求められることを想定しておいた方が良いと思われる。 |
|
| |
| | | ◆追記(2005-2-01) |
| | |
| (1) | 第三者による適法性のチェック(法務大臣の登録機関である「調査機関」のチェック) |
| | 次の事項を調査機関に示す。
@商号、本店または主たる事務所の所在地、代表者氏名
A登記アドレス(登記されている公告を行うためのHPのURL)
B公告アドレス(実際に公告を掲載するHPのURL)
C公告期間
D公告しようとする内容情報
E公告根拠条文 |
| (2) | 電子公告調査の委託 |
| | 調査機関が法務大臣に報告する日(公告開始日までの2日前まで)の2営業日前までに行う。⇒ 委託から公告開始までに最低4日を要する。 |
| (3) | 調査機関の機能 |
| | 公告期間中、調査機関は6時間に1回以上の頻度で公告サーバから入手し(自動プログラミング)、内容を確認して電磁的記録として残す。また、調査機関は、書面または電磁的記録(電子メール、FD、光ディスクのいずれか)により、電子公告調査の結果を遅滞なく調査委託者に通知しなければならない。 |
| |
| @ | 受信情報と公告情報の同一性判定の結果、判定の日時 |
| A | 情報受信ができなかった場合、その旨と日時、入力した公告アドレス |
| B | 公告の中断があった場合、推計される公告の中断が生じた可能性のある時間の合計 |
|
|
| |
|
|
| | (1) | 定時株主総会の授権による自己株式の取得(市場取得又は公開買付の場合) |
| | 定時株主総会で、次の定時株主総会終結のときまでの1年間に取得する自己株式の種類、総数、取得価額の総額につき、決議する。
この総会決議は、自己株式取得までの授権枠を設定するもので、実際に取得するか否かは取締役会で決定する。 |
| |
| | (2) | 定時株主総会の授権による自己株式の取得(特定の株主から買い受ける場合) |
| | 定時株主総会で、次の定時株主総会終結のときまでの1年間に取得する自己株式の種類、総数、取得価額の総額と、売主につき、決議する(特別決議)。
特別決議であるので、総株主の議決権の過半数の株主が出席し、その2/3以上の賛成を得る必要がある。
なお、売主となる株主は、特別決議を行う総会の定足数に参入されず、また議決権の行使もできない点に注意する。 |
| |
| | (3) | 定款授権による取締役会決議による自己株式の取得(平成15年9月施行) |
| | 取締役会決議で自己株式の取得を行うには、定款でその旨を定めておく必要があり、そのために株主総会で「取締役会の決議により自己の株式を買い受ける」旨の定款変更決議を行い、定款を変更する(特別決議)。その上で、取締役会にて買い受ける自己株式の種類、総数、取得価額の総額を決議する。
但し、この方法は市場取引と公開買付に限定されているため、公開会社しか利用できない。
なお、自己株式を買い受けた後、最初の定時株主総会で「買い受けの理由、買い受けた自己株式の種類、総数、取得価額の総額」を報告しなければならない。この報告事項は、営業報告書にも記載する必要がある。 |