高齢者の年金:2004年4月からの在職老齢年金

(2004年4月01日)

会社員が、60歳以上、70歳未満までの間、厚生年金保険の適用事業所に勤務しながら老齢厚生年金を受給するときは、年金額と給与(標準報酬月額)に応じて、年金額の一部又は全部が支給停止となるが、支給停止の計算方法が、2004年4月から変更となった。
なお、2004年6月の年金法案成立により、2005年4月からの在職老齢年金は、60〜64歳の会社員の年金一律2割カットは廃止となり、2007年4月からは、70歳以上の会社員の厚生年金を収入に応じ減額されることとなった。
   
◆ 変更点
@総報酬制導入に伴い、標準報酬月額と標準賞与額から計算した「総報酬月額相当額」を用いた在職老齢年金の支給停止額計算を行う。
A支給停止額は、標準報酬月額が変更された場合と、過去1年間の標準賞与額の合計額が変わった場合に、その月分から再計算される。
B2004年4月分の年金額から適用され、年金支払いは、2004年6月支払いから反映される。
   
なお、支給開始年齢はこちらをご参照
   
● 在職老齢年金
60歳を超えた人が、厚生年金保険の被保険者として会社で働いている場合、会社からの給与の額により、全部又は一部が支給停止された老齢厚生年金が支給される。この支給停止された老齢厚生年金のことを「在職老齢年金」という。

◆ 60歳から65歳になるまでの在職老齢年金制度
   
   (1)60歳から65歳になるまでの間、厚生年金保険の適用事業所に勤務しながら老齢厚生年金を受給するときは、一律に年金額の2割の額が支給停止となり、更に残りの8割の年金額を12カ月で除した額(基本月額)と、給与(標準報酬月額)に応じた額が支給停止となる。
   
   (2)計算の基礎
(A)総報酬月額相当額=その月の標準報酬月額(下の表)+その月以前の1年間の標準賞与額の合計額÷12
(B)基本月額=特別支給の老齢厚生年金の年金額(加給年金額を除く)×80%÷12
(C)総報酬月額相当額と基本月額の合計額
   
     標準報酬月額
給与額標準報酬月額    給与額標準報酬月額
〜100,999円98,000円  250,000円〜269,999円260,000円
 101,000〜106,999円104,000円  270,000円〜289,999円280,000円
 107,000〜113,999円110,000円  290,000円〜309,999円300,000円
 114,000〜121,999円118,000円  310,000円〜329,999円320,000円
 122,000〜129,999円126,000円  330,000円〜349,999円340,000円
 130,000〜137,999円134,000円  350,000円〜369,999円360,000円
 138,000〜145,999円142,000円  370,000円〜394,999円380,000円
 146,000〜154,999円150,000円  395,000円〜424,999円410,000円
 155,000〜164,999円160,000円  425,000円〜454,999円440,000円
 165,000〜174,999円170,000円  455,000円〜484,999円470,000円
 175,000〜184,999円180,000円  485,000円〜514,999円500,000円
 185,000〜194,999円190,000円  515,000円〜544,999円530,000円
 195,000〜209,999円200,000円  545,000円〜574,999円560,000円
 210,000〜229,999円220,000円  575,000円〜604,999円590,000円
 230,000〜249,999円240,000円  605,000円〜620,000円
   
   (3)計算式
在職老齢年金の額(年額)=特別支給の老齢厚生年金額−支給停止額

支給停止額(年額)の計算式
Cは、総報酬月額相当額(A)と基本月額(B)の合計額
C(A+B)基本月額(B)総報酬月額相当額(A) 支給停止額の計算式
28万円以下年金額(年額)×0.2 ⇒ 支給年金の2割が停止される意(以下同じ)
28万円超28万円以下48万円以下年金額(年額)×0.2+(総報酬月額相当額+基本月額−28万円)×1/2×12
48万円超年金額(年額)×0.2+{(48万円+基本月額−28万円)×1/2+(総報酬月額相当額−48万円)}×12
28万円超48万円以下年金額(年額)×0.2+総報酬月額相当額×1/2×12
48万円超年金額(年額)×0.2+(48万円×1/2+総報酬月額相当額−48万円)×12

   
   (4)注意事項
@支給停止額が年金額を上回るときは、全額支給停止となる。
A在職老齢年金が全額支給停止となったときは、加給年金額も支給停止となる。
B厚生年金基金に加入したことがある場合は、基金の年金(代行部分)も含め、停止額を計算する。
C誕生日により取り扱いの違いが発生するので、実際には個別に検討することが必要。
   
   (5)在職老齢年金の受取早見表(月額、単位:万円)
総報酬月額相当額 →
基本月額 ↓
9.812.616.020.024.028.030.032.034.036.038.041.044.047.050.0
4万円4.04.04.04.04.02.01.00.00.00.00.00.00.00.00.0
8万円8.08.08.08.06.04.03.02.01.00.00.00.00.00.00.0
12万円12.012.012.010.08.06.05.04.03.02.01.00.00.00.00.0
16万円16.015.714.012.010.08.07.06.05.04.03.01.50.00.00.0
20万円19.117.716.014.012.010.09.08.07.06.05.03.52.00.50.0
24万円21.119.718.016.014.012.011.010.09.08.07.05.54.02.50.0

◆ 65歳から70歳になるまでの在職老齢年金制度
   
   (1)65歳から70歳になるまでの間、厚生年金保険の適用事業所に勤務しながら老齢厚生年金を受給するときは、老齢厚生年金(報酬比例部分)を12カ月で除した額(基本月額)と、給与(標準報酬月額)に応じた額が37万円以下の場合は、老齢厚生年金の支給停止はなされないが、37万円を超える場合は超えた額の1/2が支給停止となる。
なお、65歳から支給される経過的加算は支給停止の対象にはならない。
   
   (2)計算の基礎
(A)総報酬月額相当額=その月の標準報酬月額(上の表)+その月以前の1年間の標準賞与額の合計額÷12
(B)基本月額=老齢厚生年金の年金額(加給年金額及び経過的加算を除く)÷12
(C)総報酬月額相当額と基本月額の合計額
   
   (3)計算式
在職老齢年金の額(年額)=老齢厚生年金額−支給停止額

支給停止額(年額)の計算式
 (注)老齢基礎年金は支給停止の対象ではなく、全額支給となる。
C=総報酬月額相当額+基本月額 支給停止額の計算式
48万円以下支給停止はなし(=全額支給)
48万円超48万円を超過する額の1/2が停止 →(C−48万円)×1/2×12

   
   (4)在職老齢年金の受取早見表(月額、単位:万円)
総報酬月額相当額 →
基本月額 ↓
9.812.616.020.024.028.030.032.034.036.038.041.044.047.050.053.0
5万円5.05.05.05.05.05.05.05.05.05.05.05.04.53.01.50.0
10万円10.010.010.010.010.010.010.010.010.010.010.08.57.05.54.02.5
15万円15.015.015.015.015.015.015.015.014.513.512.511.09.58.06.55.0
20万円20.020.020.020.020.020.019.018.017.016.015.013.512.010.59.07.5
20万円19.117.716.014.012.010.09.08.07.06.05.03.52.00.50.00.0
25万円25.025.025.025.024.522.521.520.519.518.517.516.014.513.011.510.0
30万円30.030.030.029.027.025.024.023.022.021.020.018.517.015.514.012.5

◆ 在職老齢年金での注意点(若干のコメント)
@在職老齢年金(支給が停止された老齢厚生年金)の支給停止は、本人の働く事業所が社会保険の適用事業所であり、且つ本人が社会保険に加入している場合。事業所が社会保険の適用事業所でない場合や、社会保険適用事業所であっても(非常勤勤務やパート勤務などで)本人が社会保険に加入していない場合は、支給停止とはならない。
↑ これ、何かおかしいと思わない?
A年金(の一部又は全部)が支給停止になったとしても、60歳台に正社員として働き、年金を納付しつづければ、退職後に受け取る年金額は多くなるメリットはある。
↑ これは、今の年金制度がそのまま存続すればの話。政府・社会保険庁の説明をマトモに信じる人はいないと思うけど..
B夫が退職した場合、妻が59歳以下の専業主婦である場合、その妻は自分の国民年金を支払う必要があるので、注意すること(夫が60歳を過ぎても厚生年金に加入していれば、別途支払う義務はない)。


[ 情報ページの表紙へ ]


Copyright (C) (株)ビークライン(株)サポネット 2004 All Rights Reserved.