日米社会保障協定の発効

(2005年9月20日)

2005年10月1日より、日米社会保障協定(社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定)が発効となる。これにより、二重加入義務がなくなり、年金加入期間を通算することとなった。

◆ 二重加入の防止
原則として、就労している国の社会保障制度のみに加入する。ただし、一時的(5年以内と見込まれる場合)に相手国に派遣される場合は、引き続き派遣元の国の社会保障制度のみに加入する(この場合、派遣先の国の社会保障制度の加入は免除)。
日本からアメリカに派遣される場合
   アメリカの社会保障制度に加入する。ただし、一時的な派遣の場合は、引き続き日本の健康保険および厚生年金制度に加入する。
アメリカの社会保障制度への加入免除のためには、次の要件を全て満たす必要がある。
  
 (1)厚生年金保険の被保険者であること(厚生年金保険の加入が確認されれば、健康保険にも加入しているものとみなされる)
 (2)日本の事業所との雇用関係が継続していること
 (3)派遣が一時的(5年以内)と見込まれること
 (4)派遣される直前に6カ月以上継続して日本で雇用され就労していること
   【配偶者および子について】
 一時的に派遣される人が、引き続き健康保険および厚生年金保険に加入し、アメリカの社会保障制度への加入が免除される場合、その人に生計を維持されている配偶者は、引き続き国民年金の第3号被保険者(20歳以上60歳未満の配偶者のみ)となる。また、配偶者も子も健康保険に被扶養者として加入する。
 一方、アメリカに社会保障制度に加入することになる場合は、国民年金第3号被保険者(配偶者のみ)および健康保険の被被用者の資格を失うこととなる。ただし、住所地が日本のままであれば、国民健康保険および国民年金に加入できる。
   【加入免除の手続き】
 一時的に派遣される人が、アメリカの社会保障制度への加入を免除されるためには、日本の健康保険および厚生年金制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を受ける。
 → 事業主は、「適用証明書交付申請書」を社会保険事務所に提出し、交付された証明書を本人がアメリカの事業主に提出する。
アメリカから日本に派遣される場合
   日本の健康保険および厚生年金制度に加入する。ただし、一時的な派遣の場合は、引き続きアメリカの社会保障制度に加入する。ただし、アメリカの社会保障制度に引き続き加入する場合であっても、日本の厚生年金保険への加入のみが免除され、健康保険への加入が免除されない場合がある。→ アメリカの医療保険制度は現役時代には給付が行われないため、日本の健康保険への加入が免除されると、日米両国のいずれからも医療給付が受けられない事態が生ずるため。このため、アメリカの民間医療保険に加入していることを条件に、日本の健康保険への加入が免除される。また、家族が一緒に日本に滞在する場合は、家族全員が民間医療保険に加入していなければ、本人を含め、家族全員が免除されない。
   なお、予見できない事情により派遣期間が5年を超える場合は、アメリカ社会保険庁と協議のうえ、原則として1年の延長が認められる。
   【加入免除の手続き】
 日本の健康保険および厚生年金保険への加入を免除されるためには、アメリカの社会保障制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付をアメリカの社会保険庁から受け、日本の事業主に提出する。
◆ 加入期間の通算
協定により、日本とアメリカの年金加入期間を相互に通算することで、両国の年金の受給権を得ることができる。通算してそれぞれの国の受給権を得るための必要な期間ができた場合、その加入期間に応じてそれえぞれの国から年金を受ける。ただし、日米両国の年金制度に二重加入していた期間は二重に通算されない。
日本の年金にアメリカの年金加入期間を通算する場合
   アメリカの年金加入期間を日本の年金制度に加入していたものとみなす。
 (1) 老齢年金の場合
  加入期間が25年以上必要という条件には、アメリカの年金加入期間を通算する。
 (2) 傷害・遺族年金の場合
  被保険者期間のうち保険料が未納ではない期間が2/3以上必要である条件の判断の際には、アメリカの年金加入期間を通算する。また、初診日または死亡日に日本の年金制度に加入していなければならないという条件の判断の際には、アメリカの年金加入期間を日本の年金制度に加入していたものとみなす。
アメリカの年金に日本の年金加入期間を通算する場合
   日本の年金加入期間をアメリカの年金制度に加入していたものとみなす。
◆ その他
日本在住の人がアメリカの年金を請求する場合は、社会保険事務所、年金相談センター、在日アメリカ大使館・領事館で手続きを行うことができる。
日本の年金制度では、受給権発生から5年を経過すると時効となり、経過した分の年金は受け取れなくなる。アメリカの年金制度では、受給権発生から老齢年金、遺族年金の場合で6カ月、傷害年金の場合で12カ月を経過すると時効となり、経過した分の年金は受け取れなくなる。


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